自分を見失わないための方法
就職して社会に出ると、途端に今まで感じたこともなかった悩みがつきまといます。特に人間関係と責任に対する意識は急激に重くなり、学生時代とのギャップに混乱する人も多いでしょう。悩みの種類も多くなります。そして、自分が何に悩んでいるのか分からないけどなんだか辛いという状態に至ってしまう場合もあります。
また、学生時代に先延ばしにしていた悩みも、どこかで必ずやってきます。
例えば、今の仕事が本当にやりたい仕事ではないと考えている人も多くいます。恋愛も、自然に暮らしていれば、運命の人と出会えるだろうと考える人もいます。
しかし、ツケが回って、蓄積されていた欲求と、周りの状況、期待によって、どこかで混乱を招くタイミングがあるかもしれません。
仕事に追われる毎日では感じる時間さえ持てないかもしれませんが、ふと自分は何者なんだろう。自分は本当は何がしたいのだろう。自分はこのままでいいんだろうか。と考えてしまうときがあります。自分が主語であればまだ良いですが、あの人は私を分かってくれない。あの人がいると自分を見せるのが恥ずかしい。いいことがない。流れが良くない。と理由がぼんやりしていたり、自分以外のせいにしているとなかなか良い方向へ抜け出せなくなってしまいます。
そんな悩みを抱えていたり、自分を見失っている状態のときに考えるべきポイントをまとめます。
ポイント
たいていの悩みは人間関係と言われています。
直接的でなくても、間接的に他人が影響している可能性があります。
例えば、他人との比較です。例えば、同じ年くらいの芸能人が好きなことだけしてお金を稼いで豪遊しているように見えたとしましょう。ここで嫉妬やねたみ、自信喪失のようなネガティブな感情が少しでも出ていれば、比較が行われて影響されていると言えます。リア充な部分が身近な人のSNSなどで目に入ってしまえば尚更です。
また、仕事をはじめたばかりだと、与えられた仕事をこなすことに精一杯で、他人の期待や他人の意見に合わせて動くことが多くなります。上司の指示や判断で動くことは、役割の違いなので仕事をこなす上では当然なのですが、問題なのは、自分で考えることを忘れ、他人のためにという癖がついてしまう可能性です。
このような身近な人、SNSなどを通した他人などの外部要因によって、自分を主語にすることを忘れてしまうと、いずれ自分を見失う状態に陥ります。
対処法
もしもの力を借りる
自分を見失いそうになっていると気付いたときには、もしもの力を借りましょう。
これは悩みを抱えていない前向きなときでも有効な方法です。
スティーブン・R・コヴィー氏の名著「7つの習慣」では、「終わりを思い描くことから始める」と述べています。自分の葬式を想像したときに、家族や参列者にどんな声をかけて欲しいか、どんな人だったと記憶に残ってもらいたいかをイメージすると自分の使命が見えてくると言います。
自分の葬式という「もしもの力」がそこにあります。
自分が本当にやりたいことはなんだろうと考えるときも「もしもの力」が効果的です。
それは「もしお金や時間に制限がなかったら何がしたいか」という考え方です。
例えば、「毎月必ず100万円が、自分の口座に振り込まれます」という状態だったとしたら、生活には困らずに、今働いている時間が確保できることになります。将来お金がなくなる恐れもないものとします。
そのときに、どんな仕事で、どんな価値を提供したいと思うでしょうか。
上記の例は、より前向きな大きな話にも見えますが、「もしもの力」は、範囲が小さかったり、期間が短かったりしても有効です。
例えば、今手元のスマホがなくなったら、自分は何をしているだろうか?
自分のスマホがなくなっても、他人がSNSをしているなら気になってしまうと、どうしてもイメージが取り切れない場合は、この世からスマホが一斉になくなったらでも良いです。
自分が本当にやりたかったことが少し近づいてきたりしませんか。
人の目を気にしたり、人に左右されていると感じながら自分を見失っているときは、「もしも知り合いが一人もいない土地に引っ越したら」と考えると良いです。
海外でも、遠く馴染みのない都道府県でも良いです。
今までの人との接し方を守る必要はありません。他の人の目を気にせず、どんなキャラクターでいっても良いのです。
女性であれば、服装やメイクや髪型など、思い切って変えても構わないのです。
それを想像したときに、高揚感が出てくるのであれば、やはりどこかで制限している部分があるのでしょう。
自分を見失っていると感じたときには、一度今をリセットさせるつもりで「もしも」を考えてみると、本来の自分がどうしたかったのかに気付けるかもしれません。
自分を勘違いさせる
自分を勘違いさせることは、もしもの最上位系と言えるでしょう。
もしもの仮定を、そうなったと勘違いさせてしまうのです。
これは、成功者も行う方法です。目指すべき姿、理想像があったとしたら、既にその状態になったつもりで振る舞うのです。振る舞いを変えると、本当にその状態になって結果が変わってくるというものです。
これはかなり難度が高い方法です。思い込もう、思い込もうと無理やりするのではなく、信じるというレベルです。
例えば、仕事で失敗して、いつもなら優しく励ましてくれる温厚な先輩が、きつめに叱ってきたとします。そのときの印象は、叱られる前から機嫌が悪そうで、ムシャクシャしてたのもあって八つ当たりされたと感じたとします。しかし、実は先輩も上司から指導方法について叱られていて、色々な葛藤の中で叱り方がうまくなかっただけかもしれません。事実がどうであっても、そうだとしたら気持ちは変わりませんか。
学生のカップルで、彼氏が最近なかなか会ってくれないと悩んでいたときに、「私と会いたくないんだ?」と憤慨してしまったとします。でも、試験で大事なときで、本当は相手も会いたいけれど、気持ちをぐっとこらえているかもしれません。本当にそうだとしたら許せませんか。
自分の悩みが、実は誤解が招いたことだったらと思い、良い条件であることを信じられたら、感情や考え方を大きく変えることができるのです。
自分だけ損して相手が得していると、損得勘定が出てくるのは自然です。決して簡単なことではありませんが、究極的にそこまで自分を勘違いできれば、最高の自己コントロールができる状態と言えるでしょう。
まとめ
「見失う」を辞書で調べると、「今まで見ていたものの所在がわからなくなる。」
つまり自分を見失うということは、自分の本質としてあるものが見えなくなったということです。
今までできていたことかもしれませんし、まだ部分的にしか隠れた部分なのかもしれません。
ただし、自分を見失っていると感じているということは、どこかで自分の本質が表に出せていないと自覚している証拠でもあります。
自分を見失っていると感じているのであれば、一度立ち止まって「もしもの力」を借りましょう。
尚、やりたいことを見つける方法については以下の記事で紹介しています。