ダメダメ人間が並の人間になるために(序章)

ponkotsu00

序章

人間関係に疲れた。

行きたくない飲み会にもなるべく参加した。
行かなくて良い口実が見つかったときはなんとか断るが、
「毎回行かないのもナンだよな」
「参加しないときに自分の悪い噂をされないだろうか」
そんなことを考えて、参加できるときはした。
でもお金もかかるし、時間の無駄だし、面倒くさいのが本音だ。

上司や先輩に気を遣い過ぎて疲れる。

上から指示があればとにかくYES。
できるできないに関係なくまず「はい」と答える。
あとからどうやるんですか?と聞こうものなら、
「何で最初に質問しなかったの?」と怒られる。嫌な顔をされる。

今更聞くわけにもいかないので、言葉の意味ややり方が分からなくても頑張って検索して調べる。
そして時間がかかるとまた怒られる。
きっと上の人たちの間では「出来の悪い部下だよなー」とか噂しているんだろうな。

タバコを吸う同期は苦手だ。

同期の中でも僕を見下すような態度をしてくるヤツが許せない。
そんなヤツが同じ部署の上司や先輩と喫煙室で仲良く話しているのがなおさら許せない。
僕よりも上司や先輩に恵まれた部署に配属されたんだなーとも思う。
タバコを理由に仕事を休憩しやすいのも許せない。
「同期で出来の悪いヤツ誰?」って質問に僕の名前を挙げるんだろうな。

できの良い後輩も苦手だ。

明らかに他の先輩と比べて、僕への態度が違っている。
何を言っても聞いていない感じが伝わってくる。
返ってきた「はい」が「はいはい」に聞こえる。

「あの先輩なんなんすか?」とか言われてそう。
多分きっと先輩たちの話を聞いて、ナメてるんだろう。
先輩も先輩だ。
僕のことを直接的に「あいつはダメ」と言っていなくても、
空気でナメてもいい先輩って思えるような会話になっているんだ。

電話応対は苦手だ。

できれば誰か先に出て欲しい。
出れば大体1回で会社名が聞き取れないし。
伝言とかやめて欲しい。例外パターンが怖い。
できるだけ相手には「じゃあまたかけます」「メールしておきます」で済ませてもらいたい。
そして何より一番嫌なのが、周りの人たちが聞き耳立てて、
僕が失敗するのを待ち望んでいるように感じることだ。

有給休暇をとるのも気が引ける。

「仕事できないくせに、休むときはしっかり休みやがって」とか言われてそう。
僕がいない間に、僕のドジ話で盛り上がってそう。
そして周りの結託が強くなってそう。
ある意味部署の結束を高めるのに一役買っているのかもしれない。

日曜日は億劫だ。

日曜の夕方に憂鬱が来るとよく言うけど、
僕の場合、日曜朝目覚めた瞬間に憂鬱が来る。
「明日の今頃には会社かー」と考えてしまう。

よく考えてみると、
僕が仕事できていれば悩みも解消するような気がする。
だから土日を使って勉強しようと思う。
インターネットで実用書の類を注文したりもした。
金曜の夜には一番意気込む。
週明けにはスーパーマンになっているイメージまでできている。
しかし、気づくと日曜になっている。
買った本もそのまま放置される。

せっかくの休みにストレスで体を壊したくないので、
たまには高いものを食べて、マンガやゲームでリフレッシュした方が健康的だと考える。
占いを良い結果だけ信じるように、情報番組で得た知識も都合よく捉えて、
自分にご褒美を与えている。
それに気づいて日曜の夜には
「なんでせっかくの休みを無駄にしたんだ」
と自分を責める始末。

とまあこんなダメダメな日々を過ごしている。

社会人1年目のときに比べれば少しずつマシにはなっているのだろうが、
基本的な悩みはずっと同じ。
同期の連中とは差が開く一方だった。